課題

  • 太陽光型植物工場ならびに施設園芸関連課題

  • 正味光合成速度制御による統合型環境制御システム(東アジア向け)

  • 現在NPO植物工場研究会並びに千葉大学では、施設全体の光合成速度や蒸散速度をリアルタイムに計測・評価すると同時に、制御する機能を有する自律分散型の統合型環境制御システムを開発中である。システムの開発を急ぐとともに、中国・韓国等東アジアや極東エリア向けに展開することが望まれている。

  • 施設園芸におけるCO 2 排出削減

  • 施設園芸では、暖房時等に排出されるCO 2 の削減が課題になっているが、CO 2 施用は施設の飽差制御と並んで極めて重要な環境制御項目でもある。本研究課題は、暖房やCO 2 施用に伴うCO 2 排出を進めるシステムや制御システムの開発を行うものである。

  • 自然・地域エネルギを活用した植物工場

  • 太陽光のエネルギを有効活用した閉鎖型植物工場や化石燃料を使用しない暖房システムなど自然・地域エネルギを積極的に活用した植物工場の実用化に向けた基礎及び応用的研究である。

  • 施設栽培における病害虫予測システムの研究

  • 太陽光型植物工場や施設園芸では病害虫防除が極めて重要な要素であるが、本研究は環境条件や内外のモニタリングにより病害虫発生を高度に予測し、病害虫による作物の被害を最小限にとどめる技術を開発するものである。IPMの技術とも連動し、より効率的な防除技術の確立に寄与することを目的とする。

  • 太陽光型植物工場における高機能性植物の生産

  • 高度に環境制御が可能な太陽光型植物工場において、従来の作物ではなく、より機能性成分を効率的に算出する高機能性植物を効率的に生産するシステムを開発する。食用作物だけでなく、薬用作物や香料作物、染料作物等も含めて検討し、栽培作物の多様化を図ると同時に、栽培環境の高度制御により、機能性成分の安定化、高濃度化を図る手法を確立する。

  • 人工光型植物工場関連課題

  • 人工光植物工場におけるLEDの選定・規格化

  • 人工光型植物工場の普及・拡大に伴い、より効率的で安価な植物育成用のLEDの選定や機能性評価に対応する研究開発が進んでいるが、極めて多面的な要素を含んでいるため、個別研究では対応が不十分である。本研究は、関連する研究をネットワーク化して、より効率的で網羅的な研究を幅広く行うことで、世界に先駆けて植物工場用LEDの規格化を進める。

  • 人工光型植物工場におけるイチゴ生産システムの開発

  • 人工光型植物工場では、任意の温度や日長条件で作物を効率的に栽培することが可能であることから、夏季高温・長日条件下では栽培が困難である一季成り性のイチゴ生産が原理的に可能である。本研究では、人工光型植物工場におけるイチゴ生産に関わる諸問題を解決し、専用品種の育成や環境制御、受粉管理、栽培管理等について、海外戦略も含めて多面的に検討する。

  • 人工光型植物工場における二次代謝物質生産

  • 人工光型植物工場では、光環境も含めて栽培環境の安定的な高度制御が可能であることから、各種作物による二次代謝物質生産の効率を飛躍的に高めることが可能で、安定生産も可能である。本研究では、有用な二次代謝物質を経済的に効率生産するシステムとして人工光型植物工場の可能性を模索する。

  • 人工光型植物工場作業性向上へ向けた調査および標準化検討

  • 人工光型植物工場では、労務費の大幅な縮減が大きな課題になっているが、本研究では各作業工程の標準化を進めて将来の自動化・ロボット化につなげると同時に、作業性向上に向けた取り組みに対する各種調査を進めて人工光型植物工場の経営安定化につなげる。

  • 太陽光型植物工場・人工光型植物工場共通課題

  • 植物工場における自動化・ロボット化

  • 今後急速に進むと予想されている、農業人口の高齢化と、減少を補完する目的で、作業の標準化を進めると同時に、各種自動化機器やロボットを積極的な活用を図る。

  • 培養液コントローラ研究開発

  • 我が国の養液栽培技術は世界的にも進んでいるが、大規模施設における効率的な培養液制御技術に関わる研究開発はオランダやイスラエルに比べて遅れている。本研究は大規模施設や人工光型の施設において、より効率的で環境保全型の培養液制御システムを開発するための基礎及び応用的研究である。

  • 植物工場における栽培ベッド・栽培架台のロ-ルフォーミング技術開発

  • 我が国の養液栽培用の栽培システム(栽培ベッド・架台を含む)は主として発泡スチロール製のシステムが多く、高価で設置コストも高く、長い工期が必要である。また、人工光型の植物工場でも栽培システムに対する研究開発は依然として進んでいない。本研究では、オランダ等で進んでいるロ-ルフォーミング技術を活用して栽培ベッド・栽培架台・栽培ラックを効率的に安価に製作する技術を開発する。

  • 省エネとヒートポンプ活用

  • 我が国のヒートポンプは世界有数の技術レベルと製品性能を有しているが、施設園芸や植物工場用の空調システムとしての研究開発はそれほど進んでいない。本研究では、太陽光型/人工光型植物工場を含めた施設園芸全般の空調システムとしてのHP開発に関わる研究やそれらの制御技術の研究を体系的に行うものである。

  • 養液栽培における緑藻類の抑制技術開発

  • 人工光型植物工場を筆頭に、養液栽培に発生する緑藻類は一般生菌数を増大させるとともに病害虫のリスクを高め、光の利用効率まで低下させることから極力抑制することが重要である。本研究では、養液栽培における緑藻類の発生を効率的に抑制する技術を開発する。

  • 育苗・種子工学関連課題

  • 次世代閉鎖型苗生産システムの開発

  • 人工光を活用した閉鎖型苗生産システムは、極めて有効な育苗システムとして評価されているが、より安価で、安定的で、より長期間の育苗が可能な次世代型システムの開発が望まれている。本研究はその開発や制御システムに関わる研究を行う。

  • 苗の斉一性を飛躍的に高める種子精選・種子処理技術開発

  • 閉鎖型苗生産システムや人工光型植物工場では、従来以上に苗の斉一性が求められるようになっているが、そのためには種子精選や各種種子処理技術などのシードテクノロジーに関わる研究が重要になっている。特に中小の種苗会社が多い我が国の種子産業では、外注も可能な種子精選や各種種子処理技術が必要になることから、関連技術の開発が広く求められている。本研究はそれらの高品質種子の需用者、供給者の要望に対応するものである。

  • 育種関連課題

  • 人工光型植物工場を活用した育種技術に関わる基礎及び応用的研究

  • 人工光環境下では、より高度な環境制御ができ安定的な選抜が可能で育種年限の短縮が可能であるが、特有の育種技術の確立も必要である。本研究は、それら育種技術に関わる基礎及び応用的研究を行う。

  • 太陽光型植物工場専用品種の育種(果菜・葉菜)

  • 大規模施設で、効率的に野菜等を生産する太陽光型植物工場では、成長速度が速いほか、自動化も進める必要があることから、従来品種とは異なる専用品種の育成が極めて重要である。本研究では、太陽光型植物工場専用品種の育種について季節変動も含めて多面的に検討する。

  • 人工光型植物工場専用品種の育種

  • 極限まで生育速度を速め、従来とは比較にならないほど効率的な野菜等の生産が可能である人工光型植物工場では、成長速度が速い反面、各種生理障害も発生しやすく、それらに対応する専用品種の育成が極めて重要である。本研究では、人工光型植物工場専用品種の育種について多面的に検討する。

  • その他の課題

  • 果菜類の輸出のための追熟技術の開発

  • イチゴやトマトなど生鮮野菜を輸出しようという取り組みが進んでいるが、従来の完熟果実を輸出するためには、大きなコストと時間的な制限がある。そこで栽培品種、収穫時期、ポストハーベストの技術を組み合わせた総合的な取り組みが注目されている。本研究は、それら果菜類の輸出のための総合的な技術の開発に関わるものである。

  • 大規模施設園芸向けの労務管理・エネルギ・資源管理システムの開発

  • これまで比較的中小規模の生産が多かった我が国の施設園芸では、労務管理・エネルギ・資源管理システムの開発が遅れている。本研究はそれらの開発に関わるものである。

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